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日本ワイン店 じゃん

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ワイナリーの紹介

はすみファーム

長野県

丘の上の黄色い小さなお家から、楽しさのお裾分け

日本ワインの楽しみ方

はすみふぁーむ&ワイナリーは、長野県東御市にあるワイナリー。長野県の佐久盆地や上田盆地を通る雄大な千曲川(ちくまがわ)流域にワイナリーが点在しているエリアを千曲川ワインバレーと呼びます。この千曲川から車で少し丘を登った場所に黄色いかわいい一軒家が建っており、そこがはすみはーむです。ワイナリー横の畑からは下に上田市と千曲川を見下ろし、遠くに標高3,000m級の山々を眺めることが出来ます。

清々しい気持ちになれるワイナリーからの眺め

日本で一番小さいワイナリーから、世界へ

代表取締役会長である蓮見喜昭さんが2005年に東御市に移住し、「理想のワイン用ぶどうを栽培したい」とブドウの樹を植えるところから、はすみふぁーむは始まりました。今でこそ小規模ながら実力あるワイナリーが数多くひしめく東御市ですが、蓮見さんが醸造免許を取得した2011年、はすみふぁーむは「日本で一番小さいワイナリー」として誕生しました。現在は社員の方もいらっしゃり、年間3万本近いワインを生産する東御市を代表するワイナリーの1つとして海外への輸出もされています。

私が訪問させて頂いたのは2022年11月下旬。ちょうど収穫が終わり仕込みの真っ最中という頃です。ワイナリーに降り立って、建物のあまりの可愛らしさに「どこか別の場所に醸造所があるのですか?」と聞くと、この丘の上に建つ小さな黄色いお家の中で、全てのワインを仕込んでいるとのこと。入社して間もないという田中さんに、醸造所を案内していただきました。ワイナリーショップを抜けて、奥にある醸造室に入ると、小ぢんまりした部屋の中にびっしりとタンクが並んでいます。タンクの間を横歩きで通るのが精いっぱいという程、所狭しと並んだタンクの中を覗き込むと、ちょうどブドウ果汁が発酵しているところでした。

楽しさのお裾分け

はすみふぁーむさんは、ブドウ本来の味をそのままワインに表現するために、赤ワインについては、乾燥させた粉末状の酵母を投入するのではなく、ブドウの果皮に付着する野生酵母のチカラを使って醸造をしています。「この子達はもうすぐ発酵が落ち着く頃ですね。」と愛おしそうにタンクを覗き込む田中さん。タンクには電気毛布が巻かれていて「こうやって酵母が働いてくれるように毛布でくるんであげるんです。」と楽しそうに説明してくださいます。

酵母がはたらくよう、毛布で巻いて温度管理しているタンク

話を聞いていると、何だか心がほっこりして楽しい気分になってきました。はすみふぁーむの蓮見さんが最初にこの地に移住してブドウの樹を植えた頃からの、「農のある生活を楽しむ。ブドウづくり、ワインづくりを楽しくやる。」というスピリットが、今もはすみふぁーむ&ワイナリーに流れていています。農業は大変なことも多いはずですが、はすみふぁーむさんのワインは、ワイナリーの方々が「今年も大変だったけど、とっても楽しい農生活だったし、美味しいワインが出来たから、お裾分け!」と言ってその楽しさを私達に届けてくださるワインだなと思いました。はすみふぁーむさんのワインの中で私が特に好きなのは、「信州の甲州」という白ワイン。甲州という日本固有のブドウ品種は、山梨県産であることが多く、信州産は珍しい!と思って手に取りました。標高の高い信州ならではのキレイな酸味と切れ味が美味しく、お刺身やお蕎麦ととても良く合います。

はすみふぁーむさんは、6次産業化にも力を入れていらっしゃいます。上田市柳町には料理と共にワインを楽しめる直営のカフェも、古民家の宿泊施設(古民家のらのら)もあります。ワインだけにとどまらない「楽しさのお裾分け」、皆さんも是非、長野県まで足を運び美しい景色と美味しい食事、楽しい農に触れる機会を作ってみてください。

文/写真:加藤曜子

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