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日本ワイン店 じゃん

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ワイナリーの紹介

マルサン葡萄酒

山梨県

ミュージシャンが醸すワイン、グルーヴを感じて

日本ワインの楽しみ方

山梨県甲州市勝沼町。勝沼インターを降りて車で3分。大型バスで乗り付けてブドウ狩りが出来るような、昔ながらのブドウ園がぽつぽつと残る通りにマルサン葡萄酒はあります。通りに面して「若尾果樹園」の看板が出ている通り、今も果樹園としての営業もされているマルサン葡萄酒は、若尾家が代々受け継いできた土地と畑からワインをつくる家族経営のワイナリーです。

ブドウ狩りが出来る高いブドウの樹の棚

 代々続いて来た若尾家

勝沼町にあるワイナリーに良くあるように、マルサン葡萄酒も、元は地域の共同醸造所でした。昭和20年頃から、何軒かの近隣農家が自分たちのブドウを持ち込んで葡萄酒をつくる共同醸造所だった若尾家。マルサン葡萄酒となったのは先代からです。ワイナリー入り口に構える販売所も、何とも良い味のある雰囲気です。

販売所の中にある机と椅子を指さしながら、「普段はうちの母ちゃんがここで畑仕事の休憩でお茶してますよ。」と笑いながら仰るのは、2009年から若尾家の主となった3代目の若尾亮さん。亮さんは若尾家に婿入りしたお婿さん。「俺は婿なんで、気兼ねなく若尾家の自慢が出来るんですよ。」と言いながら、若尾家がいかに大きな名家だったか教えてくださいました(昔は町の郵便局まで若尾家でやっていたそうです!)。

グルーヴを感じて

3代目の若尾亮さん、ご実家は若尾果樹園と本当にご近所で、この勝沼の地で生まれ育った方です。これまで出会ってきた多くの勝沼町出身の方のようにブドウ漬け、ワイン漬けの人生かと思いきや、なんとミュージシャンとしての顔も持ちあわせていらっしゃいます。

20代は東京で音楽活動をしていたという亮さん。今も精力的にミュージシャンとしての活動もされていらっしゃいます。私が個人的に好きな「発酵デザイナー」の小倉ヒラクさんという方がいるのですが、その方が中心となって作られた「発酵のうた」という歌のライブでトロンボーンを演奏されていてびっくりしました。

亮さんの代になって新しくしたという醸造所と、その隣の貯蔵庫も見せて頂きました。貯蔵庫の中には、これまで亮さんが行ったライブのポスターが飾ってあったり、おもむろにレコードが積まれていたりします。

収穫したブドウを入れるコンテナにレコードがぎっしり
壁だけ見るとライブハウスのよう

亮さんにとっては、音楽ライブ活動とワインづくりは分け隔てられたものではなく、それぞれでインプットしたことを、それぞれでアウトプットしていく、切っても切り離せない事なんだと、お話を伺っていて感じました。

昔から変わらない美味しさを

ワイン造りはマルサン葡萄酒を継ぐまで経験が無かったという亮さん。自分が生まれ育った勝沼という土地で古くから親しまれてきた甲州というブドウを大切にしながら、そこに亮さんならではのアレンジを加えてワイン造りを楽しんでいらっしゃいます。

先代の時は、生産するワインの半数が地元の方が普段飲み用に買って行くワインだったそうです。そのスピリットを継いで、亮さんが造るワインも、どこか庶民の味がする美味しさです。私が好きなMIWAKUBOという赤ワイン(メルローとプティベルドーという品種のブレンド)のラベルは、昔マルサン葡萄酒で使っていたラベルのリバイバル版。慣れ親しんだ勝沼の風景が描かれています。

昔のボトルとラベル
亮さんのMIWAKUBO。ハンバーグのような家庭料理と合わせて欲しい。

スタンダードな昔から変わらない美味しさを続けながら、亮さんなりのアレンジを感じられるのが「醸し甲州」。甲州ブドウの果皮を漬け込んでつくられており、三本線を丸で囲んだラベルデザインは若尾家の家紋である「マルサン」です。

佇まいがもう亮さんっぽい雰囲気の「醸し甲州」

皆さんの家の冷蔵庫にも是非マルサン葡萄酒のワインをご常備ください。仕事終わりの晩酌で毎日飲みたいワイン達です。

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