loader image

日本ワイン店 じゃん

Instagram facebook

ワイナリーの紹介

信州たかやまワイナリー

長野県

「日本で最も美しい村」、長野県高山村が一丸となって作るワイン

日本ワインの楽しみ方

 「北の国から」の舞台として有名な北海道の美瑛町などが加盟する「日本で最も美しい村」連合に加盟する長野県高山村。連なる山岳の稜線が続き、渓谷沿いには温泉が点在し、農業を中心とした里山の風景が残る非常に美しい村。元々リンゴや生食用ブドウの栽培が盛んな村であったことからも分かる通り、標高が高く寒暖差があって水はけが良い、ワイン用ブドウの栽培に適した地域です。

ブドウ産地からワイン産地へ、高山村の挑戦

 その高山村にあるのが信州たかやまワイナリー。村名がそのままワイナリー名に使われている通り、高山村が一丸となってワインづくりをしているワイナリーです。高品質なワイン用ブドウの産地として、サントリーやメルシャンなど大手のワイナリーにブドウを供給するようになっていた高山村を、「”ブドウ産地”から”ワイン産地”にステージチェンジしよう」と、その想いで集まった方々のプロジェクトからこのワイナリーは始まりました。このプロジェクトのメンバーとして、高山村の村長が直々に声をかけたのが、現在ワイナリーで醸造責任者を務める鷹野さんです。
鷹野さんは、メルシャンに長年勤め、情報システム、醸造、品質管理、フランス駐在、様々なご経験をされ、メルシャンで経験していないのは工場長くらい。中でも信州たかやまワイナリーの立ち上げに活かされたのは品質管理の知識だそうです。例えば、醸造所の角の壁に、虫を取る機械を設置し、捕獲された虫を観察して醸造所内の衛生状態を把握する。また、ブドウ栽培に関しても、気象観測機を設置し、それまで肌感覚だった判断を数値で見える化しノウハウを次世代につなげていく試みをする。これだけ聞くと、鷹野さんが大手メーカーの経験を活かしてグイグイとワイナリーを牽引しているように思えますが、鷹野さんは「包容力」をとても持っている方だと感じます。

醸造責任者の鷹野さん
鷹野さんがまとめ上げるワインの包容力

 日本ワイン界では実力も地位もある方ですが、私のような、ワイン業界とは全く別の世界で仕事をしていた新参者の話を、「こうやって若い方とお話しすると、偶然のイノベーションが生まれるんです」と楽しんで聞いてくださります。鷹野さんから来るメールは、いつも冒頭に、その時季を感じられる高山村の風景やブドウ畑の様子が綴られています。人間ではどうすることも出来ない自然の力をよく知っているからこその包容力なのかなと思います。
信州たかやまワイナリーは自社畑を持っていません。高山村の13名の栽培家の方々がつくるブドウを使ってワインづくりを行っています。村内の標高差が激しい上に、13名の栽培家。多種多様なブドウ達が集まって来て、それをうまくまとめ上げるのが、鷹野さんのこれまでのご経験と受容力のなせる業だと感じます。「クリーンでバランスが良い、飲み続けられるワインを目指しています」と鷹野さん。突出した香りや味を出すのではなく、多様なブドウのバランスを取る。信州たかやまワイナリーのワインは、複雑なのにまとまっている包容力を感じるワインです。

栽培家でワイナリー出資者(代表取締役)、涌井さん

 信州たかやまワイナリーのワインを介して、人と人が繋がり、そこここでイノベーションが起きている。村内に、小さくても高品質なワインをつくるワイナリーが複数存在する。鷹野さんが目指す「ワイン産地としての高山村」の進化を目の当たりにするべく、ぜひ高山村へ訪問してみてください。おすすめは山田牧場キャンプ場。満天の星空のもと、信州たかやまワイナリーのワインを空け、次の日は熱い温泉に浸かる。最高ですよ!

文/写真:加藤曜子

ワイナリーの紹介へ戻る