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日本ワイン店 じゃん

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ワイナリーの紹介

ヴィラデストワイナリー

長野県

農業というライフスタイルが地域を活性化する

日本ワインの楽しみ方

長野県軽井沢町と上田市の間に位置する長野県東御市にあるのがヴィラデスト ガーデンファーム&ワイナリー。千曲(ちくま)川から山間の道を車で登りワイナリーに到着すると、色とりどりの花と良い香りのハーブが風に揺れる素敵なガーデンが迎えてくれます。千曲川から登ってくる段丘にあるブドウ畑は、標高850m、畑の広さは約12haで、シャルドネやメルロー、ピノノワールといった欧州品種が植えられています。ブドウ畑の下の方には、大きな千曲川が流れる東信州の街を見下ろすことができ、千曲川の向こうに標高3,000mの山々が連なる北アルプスを一望することができます。ブドウ畑とガーデンのすぐそばにカフェとショップがあり、カフェでは、その美しい景色を眺めながら、美味しい料理とヴィラデストでつくられたワインを頂くことができる、とても清々しい気持ちになれる素敵なです。

この日はお天気がイマイチでしたが、うっすらと北アルプを望めました
農業というライフスタイル

1991年、エッセイストであり画家である玉村豊男さんがこの景色に惚れ込み移住し、野菜やハーブの農園を始めました。1992年にブドウを植え2003年からワインづくりを開始、東御市で第一号のワイナリーとして創業しました。その後、玉村さんは、千曲川沿いのワイン産業を発展させ、そして、農業というライフスタイルで暮らしワインづくりをしたいという人たちの背中を押すべく、2015年に千曲川ワインアカデミーを設立。現在、ここでブドウ栽培や醸造を学んだ方々が、千曲川流域を中心にワイナリーやブドウ栽培家として独立し、小規模ながら高品質なワインのつくり手が密集する「千曲川ワインバレー」を形成しています。この一帯は、移住者による新たなブドウ畑やワイナリーが増え、ワイナリーを巡る観光客を迎え入れるレストランが出来て、移住者と地元の方の交流が進んでいます。ヴィラデストを中心にして、千曲川ワインバレーという壮大な構想が実を結び進化し続けているのです。大きな企業がドンと何かを仕掛けるのではなく、移住者と地元の方が、自然と共生する豊かな暮らしをする中で、それぞれ有機的に結びつき、地域が活性化しています。その土地ならではの産業で活性化し、その産業に携わる方々が誇りをもって働いている点が、これからの地域活性化のモデルとしてもとても興味深いです。

 

世界に通用するワインを

ヴィラデストのブドウ栽培と醸造の責任者は小西超さん。私がお伺いした際も、忙しい仕事の合間を縫って、丁寧に畑やワイナリー内をご案内いただきました。小西さんの醸造の師匠は、シャトーメルシャンの醸造長を務め、日本ワインの高いクオリティの礎を築いた方として知られる浅井昭吾氏(著書のペンネーム麻井宇介)です。

「浅井さんが『日本でも世界で戦えるワインが必ずできる』とずっと仰っていた。浅井さんの想いを実現したい。」とおっしゃる小西さん。優しい語り口の小西さんですが、お話をしていると、内に秘める信念の強さやワインづくりに対する情熱を感じます。

栽培醸造責任者で代表の小西超さん

小西さんが目指すのは、「この地を表していて、かつ世界に通用するワイン」。千曲川沿いの斜面のヴィラデストの畑は、雨も少なく日照時間が長く寒暖差が大きい、ブドウ栽培に適した土地です。そこで丁寧に育てたブドウを、キレイに、そして柔らかく醸し熟成させていきます。ヴィラデストさんのワインは、どれもエレガントで、この千曲川の雄大な流れや北アルプスの峰々を見渡す清々しい絶景を想いながら飲むと、心が洗われるようなクリーンな美味しさです。

伺った6月は収穫を待つタンクや樽が醸造所内に並んでいました。

日本ワインの実力を信じて活動を続けた浅井昭吾(宇介)さん、千曲川ワインバレー構想を牽引する玉村豊男さん、お二人の想いを次の世代に繋ぐ小西超さん。エレガントで美味しいワインだけではなく、玉村豊男さんの自然人としてのライフスタイルや、個々が有機的に結びつく地域の在り方も含めて、ワインに表現されている気がします。皆さんも東御市のヴィラデストガーデンで、美しい景色を眺めながら、きれいなワインを是非!

 

「料理の四面体」

ちなみに、玉村豊男さんのエッセイの中で、個人的には「料理の四面体」が好きです。”イギリスのローストビーフ”と”日本のアジの干物”の共通点など、日本の台所から地球の裏側までを題材に、「人が美味しく食べる」という行為を、論理的に、軽快なリズムで紐解いていく食のエッセイです。このエッセイを読むと「食事」は全て自然と共にあり、自然の一部であることを実感します。

 

文責:加藤曜子

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